文=小関新人
- BS-TBS開局20周年記念ドラマ「左手一本のシュート」
- 3月14日放送
- BS-TBS
高校入学前に参加したバスケ合宿で脳出血を発症し、身体不自由になった高校生が周囲に支えられながら再起を目指し、最終的にバスケの試合に出場するまでを描く、実話を題材としたドラマ。
実話ベースであるだけに結末は見えていたが、中川大志のフレッシュな演技や、バスケ部顧問役の駿河太郎の好演が光り、若くない自分が見ても、見終わって一服の清涼感を感じられるような青春ドラマとなっていた。脇を固めたバスケ部の高校生役の若手役者たちが、演技が自然であるだけでなくバスケの技能が極めて高く、そのことがドラマにリアリティーを持たせていたように思う。キャスティングが成功したのではないか。
またラストシーンはドラマから現実に戻って、モデルとなった本人が登場したが、ドラマのラストが、この人は今どうしているのだろうと視聴者に自然に思わせるような演出で、ドラマと現実の橋渡しがうまくいっていたように思う。BS–TBS20周年記念ドラマにふさわしい作品だった。