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【10月度マイベストTV賞】-「GALAC」2021年2月号

放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、
年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!

■選出された番組
「姉ちゃんの恋人」(関西テレビ)
●コロナ禍を経た世界のなかで、突飛な設定等ではなく世間一般に生きる普通の人々と同じ目線の物語で、役者たちが自身が抱えるトラウマや幸せの機微を、とても丁寧に演じている作品だと感じた。

NHKスペシャル「筒美京平からの贈りもの 天才作曲家の素顔」(NHK総合)
●昭和を生きた人なら彼の曲を知らない人はいないだろう。これもあれもそうなのかと改めて知った歌もあった。時代に合わせて進化し続けた歌謡曲の革命児であったという。最晩年の未発表曲のラストは心にしみた。

ドラマプレミア10「共演NG」(テレビ東京)
●本当に面白い。キャストも豪華で、ベテラン揃いの演技合戦にすごく贅沢感がある。このドラマに合わせた“共演NG”のスポンサーも含め、テレ東ならではの遊び心満載のチャレンジが楽しめる。

木ドラ25「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)
●とても丁寧に作られていて、制作者や役者らすべての誠意が画面に現れている。価値観、性の多様性、すべてを肯定し温かく包み込んだ名作だと思う。忘れられない作品になった。出会えて幸せ。
※3位同票のため4本選出

■話題になった番組
土曜ドラマ「天使にリクエストを~人生最後の願い~」 (NHK総合)
●人生の最後に望むもの――自分なら何を願うだろうか。 深く考えさせられるテーマだった。各回のゲストもすばらしく、人生の深みを感じさせる演技は迫力があった。

水曜ドラマ「#リモラブ ~普通の恋は邪道~」 (日本テレビ)
●コロナ禍で一変した日常を生きる登場人物に重なるところがあり、マスクをして当たり前の日常に息苦しさを感じるやりとりもリアル。SNSでのやりとりでマスクを外し、やっと息を吸えたように話が進むのが良い。

日曜劇場「危険なビーナス」 (TBSテレビ)
●資産家の遺産をめぐる親族同士の争いでドロドロしそうなところを、義理の兄妹コンビのコミカルな演出がこのドラマを見やすくしている。展開が少々遅いかなとは思うが、ラストまでワクワクしながら見ていきたい。

ドラマ24「あのコの夢を見たんです。」 (テレビ東京)
●お笑い芸人原作の手すさびものとたかを括っていたら、意外にバリエーションも骨もある幻想譚で感心。演出陣に瀬田なつき、松本花奈、枝優花、大九明子など気鋭の女性監督ばかりで固めた感性にも好感。

連続ドラマW「セイレーンの懺悔」 (WOWOW)
●地上波にはない、WOWOWならではの硬質な社会派ドラマでとても満足。マスコミの倫理観だけでなく、すべての人間に問いかけるような内容で興味深かった。

ETV特集「調査ドキュメント~外国人技能実習制度を追う~」 (NHK Eテレ)
●日本が国家として、外国人労働者受け入れをまったく真剣に考えて来ず、しかし安直に、そこに社会基盤維持を頼りきっているという現実。そのいびつでご都合主義な政策姿勢、そしてわれわれ自身の無関心の罪深さを改めて思わされた。

関ジャム 完全燃SHOW「知られざる男性声楽家の世界」 (テレビ朝日)
●毎週いろいろな切り口で、視聴者にわかりやすく、またエンターテインメントとしてちゃんと確立しているのがすごい。メンバーの素直な感想やコメントに共感が持てる。

水曜日のダウンタウン「NSC時代に同期一の天才だった芸人、意外とくすぶっている説」 (TBSテレビ)
●才能があっても世に出られるのはほんのわずか、また時の運も非情に作用するなど、芸人の世界は本当に厳しい世界なのだと理解できる。全体としておちゃらけた本番組だが、こうした企画を見ると、それぞれの企画に真剣に向き合うスタッフの姿が想像できて良い。

「ほんとにあった怖い話 2020特別編」 (フジテレビ)
●ハロウィーンの日にふさわしい内容だった。単に怖い話だけでなく、稲垣吾郎率いる「ほん怖」メンバーの子どもたちと霊について勉強するコーナーがホッとするアクセントになっていて、ホラーが苦手な自分でも楽しめた。

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★「GALAC」2021年2月号掲載