オリジナルコンテンツ

【5月度マイベストTV賞】-「GALAC」2020年9月号

放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、
年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!

■選出された番組
BS1スペシャル「封鎖都市・武漢〜76日間 市民の記録〜」(NHK BS1)
●封じ込めに成功したと喧伝する中国政府に対し、市民の視線から事実を伝えた貴重な作品。天安門事件も無かった形で、香港でも圧力が強まるなか、希望も見出したい。

ETV特集「映画監督・羽仁進の世界」(NHK総合)
●今年92歳の羽仁監督の活動が丁寧に描写されていて興味深かった。監督の祖父母が創立した自由学園の特殊な学校教育から生まれたような監督独自の撮影手法は、既成概念を取り払ったもののよう。「不良少年」には非行少年たちを使い、「教室の子供たち」は、実際の小学生たちのありのままを生き生きと追っていた。

「今だから、新作ドラマ作ってみました」(NHK総合)
●緊急事態宣言のなか、リモートでのドラマ制作ながら、コロナ禍でこれから何を思い生活していくべきか考える余韻を残してくれたドラマでした。

■話題になった番組
プロフェッショナル 仕事の流儀 「緊急企画!プロのおうちごはん」(NHK総合)
●あの「プロフェッショナル」が料理番組に! でもただの料理番組ではない。自宅で自撮りや家族が撮っていて、そのやり取りも楽しい。説明のなかにプロならではのポイントをサラリとすべりこませたりと盛りだくさん。不定期でいいからたまにやってほしい。

ETV特集 「義男さんと憲法誕生」 (NHK Eテレ)
●憲法の誕生時にこんな人がいたことを初めて知るとともに、あの頃の国会議員は、議論らしい議論を建設的にできるインテリだったんだなあと、妙なところに感心。

「最後の〇〇~日本のレッドデータ」(NHK BSプレミアム)
●衝撃的なタイトルにたじろいだが、日本の職人の技術の素晴らしさに脱帽。まさに職人芸。時代の流れとはいえ消えてしまうのは惜しい。スタジオゲストの職人さんの「手」に注目しているのも良かった。シリーズ化希望。

ザ・ノンフィクション 「銀座の夜はいま…菜々江ママの天国と地獄」(フジテレビ)
●撮影を始めたときはこの世の春状態だったのが、あれよあれよとコロナの影響でドン底へ。が、ダテに銀座で生きてきたわけではない。ママは強いのだという姿を見せてくれ、頼もしかった。

プレバト!!「梅沢富美男永世名人襲名披露SP」(毎日放送)
●梅沢富美男が永世名人になった後に、こういう工夫があったことに拍手。「没になるとシュレッダー」というアイデアが秀逸。

リモートドラマ「ホーム・ノット・アローン」(NHK)
●間違い電話からやり取りが続く。自粛期間の鬱屈とした空気も、こんな偶然も現実にあるかも?と思ったら、ちょっとだけ明るい気持ちになれる。だんだんと打ち解けていく空気感を表現できているふたりの役者さんが素敵でした。フルバージョンで見たいです。

土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日)
●副音声も視聴者目線なので、副音声のゲストの方たちと一緒にドラマを観てる感覚。新たな楽しみ方なのかもしれない。

ミニドラマ「きょうの猫村さん」(テレビ東京)
●短い! 実力派役者たちの無駄遣い! 世界的音楽家の無駄遣い! ネコと松重豊さんに寄せられてきた人々(笑)。斬新です、最高。

ドラマ特区「ピーナッツバターサンドウィッチ」(テレビ神奈川)
●アラサー女子4人の恋模様。恋愛を正攻法でがっつり描くドラマを久しぶりに見られて、楽しかったです。

連続ドラマW「鉄の骨」(WOWOW)
●録りためてイッキ見しました。池井戸ドラマ、さすがまったく飽きません。キャスティングに間違いがまったく見つかりませんでした。WOWOWのドラマの質はいつもいいのですが、いいだけに地上波で多くの人に見てもらいたいとも思いました。

◆もっとたくさんの番組コメントが放送批評懇談会Gメンバーサイトに掲載中です。
ぜひ、お訪ねください !→Gメンバーサイトへ

★「GALAC」2020年9月号掲載