放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、
年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!
■選出された番組
ドラマ24「コタキ兄弟と四苦八苦」(テレビ東京)
●まんまと面白かった。静かなドラマなのに大きなうねりのあるドラマだった。
●今の社会問題を話の筋にうまく取り入れたドラマ。主演の2人のバランスが良かった。
NHKスペシャル「“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」(NHK総合)
●危機感を煽るのではなく、罹患者の生の声や感染拡大の現状データ、感染経路の図示など事実や検証に基づいた内容で真摯に警鐘を鳴らす報道だった。
●日本のクラスター対策班や海外の医療従事者が途方に暮れる様子が生々しかった。
ドラマ10「ハムラアキラ〜世界で最も不運な探偵〜」(NHK総合)
●明るさとわかりやすさに終始するドラマが溢れるなかで異彩を放っていた。3話を費やした物語の最終回が謎解き処理に急ぎすぎて、ダークな世界観と余韻を含んだストーリー展開の妙味に欠けてしまったのが残念。
■話題になった番組
NHKスペシャル「東日本大震災 40m巨大津波の謎に迫る」(NHK総合)
●昔、岩手にいたとき、田老町の防潮堤に上ったことがあり、津波がその上を簡単に越えたのがすごいショックだった。自然の脅威を思い知らされた。
BS1スペシャル「独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた 昭和編」(NHK BS1)
●政権べったりのナベツネが日本のメディアの頂点に立つ状況がくっきり見えた。生身の肉声と映像で語られる回顧録は圧倒的な迫力だ。氏の実像に迫ったインタビューは、ジャーナリストとは何かという問題を提起した。
ザ・プロファイラー「忌野清志郎 キング・オブ・ロックの憂鬱」(NHK BSプレミアム)
●戦争があるけど愛してるかい――ガンから復活しこの言葉。よみがえらせた制作者に拍手。
NNNドキュメント’20「19人を殺した君と重い障がいのある私の対話」 (北日本放送)
●障害者施設殺傷事件の被告と脳性麻痺の障害がある男性が接見。彼は被告が死刑になってもこの事件は終わらないと言う。それはこの事件を肯定する声がネット上にあるから。それこそがこの事件に限らず多様性を認めずマイノリティを排除するこの国の空気だ。
サンデーモーニング「検査は進むのか? 新型コロナ 東日本大震災 あの日から9年」(TBSテレビ)
●高視聴率、日曜はこれを見るため早起きする。一週間の日本の問題点が浮き彫りになる。
「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(日本テレビ)
●アクションが凄い。ストーリーも面白かった。突飛な設定だが素直に楽しめた。
帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日)
●石坂浩二演じる菊村先生が「これまでシナリオを書き上げてもお祝いしてもらえなかった」と愚痴っていたが、「やすらぎの郷」のメンバーにお祝いされ、喜んでいた。倉本先生の本音でしょうか? 倉本先生、長い間ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
ドラマスペシャル「不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事」(テレビ朝日)
●主人公たちの演技もうまく、安心して見ていられた。設定も内容も面白かったので、連ドラ化か映画化、シーズンごとのシリーズ化を期待したい。
ドラマイズム「SEDAI WARS」(毎日放送)
●最近はこういうものを「エモい」と形容するらしいが、われわれ世代からすると「哀切」である。設定やストーリーの哀しさではなくて、生きて行くことの哀しさ。シュールな展開のなかに秀逸なテーマ設定を感じた。
ドラマパラビ「来世ではちゃんとします」(テレビ東京)
●とてもポップに表現しており、今期とても好きだった作品。まだまだ来世ちゃん見たい!!!!!
開局20周年記念ドラマ「左手一本のシュート」(BS-TBS)
●実話ベースなので結末は見えていたが、中川大志と駿河太郎の好演が光った。最後にモデルの人物が登場するが、その登場の仕方がうまくドラマと現実の橋渡しをしていて良かった。
連続ドラマW「オペレーションZ~日本破滅、待ったなし~」(WOWOW)
●国家破綻の危機、話は違えどもコロナが蔓延している今もまさに国家破綻の危機。いろいろ考えさせられた。
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★「GALAC」2020年7月号掲載