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【12月度マイベストTV賞】-「GALAC」2020年4月号

放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、
年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!

■選出された番組
「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(テレビ朝日)
●マンネリとは思いつつ、そのワンパターンな展開が楽しくなってくる。中毒性のあるドラマ。孤高の大門がチームで難手術に成功する最終回に感動した。

「第70回NHK紅白歌合戦」(NHK総合ほか)
●神回だった前回と比べると見劣り感は否めないが、氷川きよし、MISIAなどすばらしいパフォーマンスもあった。周りをハラハラさせる綾瀬はるかの司会ぶりは、もう彼女にしか出せない評価すべき“個性”と認識させられた回だった。

土曜ドラマ「みをつくし料理帖スペシャル」(NHK総合)
●澪と小松原の恋の行方がどうなるかが大きな柱であり、一度は結ばれそうになりながらも、澪の料理人としての矜持が勝る別れのシーンは涙した。

■話題になった番組
スペシャルドラマ「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」(NHK総合ほか)
●NHKの桁違いの力量を示し、良質な映画一本に匹敵する余韻を残す作品だ。渡辺あやの脚本は、芥川龍之介の体験をもとに史実を丁寧に織り込み、さすがのドラマ構成とエピソードの積み重ねで、見た者の心に深く刻まれる哀しくも魅力的な物語を紡いだ。

金曜ナイトドラマ「時効警察はじめました」(テレビ朝日)
●久しぶりの新作で心配もあったがゲストを含め、出演者全員のとぼけた味わいが独特の癖になる。次は時間を置かずに続編の制作をお願いしたい。

「シャーロック」 (フジテレビ)
●原作シャーロック・ホームズのなかで語られなかったアントールドストーリーを、令和の東京のアイコニックな風景のなかで誉獅子雄(ホームズ)&若宮潤一(ワトソン)のコンビが解決していくというのが、まず面白かった。

木曜ドラマF「CHEAT チート ~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」(読売テレビ)
●人を騙すくらい頭が良いのがカッコいいとか、斜めな切り口で終わるのかと思いきや、詐欺は悪!という主張を突き通して終わったのでスッキリした。

ETV特集「ある特攻隊員の死~祖母とたどる兄の最期~」(NHK Eテレ)
●戦争経験者が高齢化して、悲惨さを語る人が少なくなりつつある今、貴重な番組だった。繰り返し放送してほしいドキュメンタリーだ。教養ドラマという新しいジャンルを切り拓いた快作。

「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日スペシャル“絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!”」(日本テレビ)
●年末最後に笑わせてくれたのは、皮肉にもほとんどテレビに出演することがなかった新しい地図の3人。やっぱり30年バラエティの現場で鍛えられた人たちは振り切り方が違う! テレビが似合う人たちだ。

「ぐるナイおもしろ荘 若手にチャンスを頂戴!! 今年も誰か売れてSP」(日本テレビ)
●若手お笑い界における向こう一年の天気予報的な役割を果たすこの番組。今年はかなりネタの内容が凝った芸人が多く、複雑化した視聴スタイルに合わせて「面白さ」のあり方も変わってきているように感じた。

テレビ千鳥「大悟サンタ」(テレビ朝日)
●やりたい放題のように見えて本当に不快なことはしていない、ある意味千鳥の職人芸的なバランス感覚を見せつけられた気がする。

「第61回 輝く!日本レコード大賞」(TBSテレビ)
●亡くなった歌手の功績を称えた企画が良かった。萩原健一(ザ・テンプターズ)の『神様お願い!』を令和に蘇らせた亀梨和也は“ショーケン”を彷彿とさせる小物を身に着け、気品と色気で魅力的なパフォーマンスだった。

ザ・ノンフィクション「ぼけますから、よろしくお願いします。~特別編~」(フジテレビ)
●ぼけるということがどういうことか、老老介護がどういうものかを、改めて突きつけられた。

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★「GALAC」2020年4月号掲載