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【9月度マイベストTV賞】-「GALAC」2020年1月号

放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、
年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!

■選出された番組
日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(TBSテレビ)
●旬であるラグビーというアドバンテージを差し引いても、作り手の気合いと熱意が伝わる秀作でした。また、闘いに次ぐ闘いという息の詰まる展開のなかで、家族とのシーンが、止めていた呼吸を再開できるようなオアシスとなっていました。

「監察医 朝顔 特別編」(フジテレビ)
●最終回が終わって「朝顔ロス」になりかけていた人たちを救ってくれた「特別編」。こういう形で直後にまとめ、展開してくれるというのも、良質のドラマに関してはありだなあ、と思いました。

アナザーストーリーズ 運命の分岐点「熱気が生んだ真夜中の解放区〜オールナイトニッポン伝説〜」(NHK BSプレミアム)
●「自分にとってのオールナイトニッポンとは何か」を各出演者が語ることにより、深夜放送の本質を浮き彫りにしていました。

■話題になった番組
プロフェッショナル 仕事の流儀「外国人労働者に何が?支援の第一人者に密着」(NHK総合)
●日本自慢の番組が多いなかでこの国の現実は過酷だ。民間の地道な行動には頭が下がるが、問題だらけの制度を放置している国こそ取り組むべき問題だ。

BS1スペシャル「バレエの王子になる!“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春」(NHK BS1)
●元カリスマダンサーである校長の、厳しく愛情深い指導。国籍、身体条件など属性が異なる4人の生徒の現代的な真摯さを描く。透明感のある映像はバレエのもつ気品をも映し出していた。

アメトーーク「ツッコミ芸人が選ぶ このツッコミがすごい!」(テレビ朝日)
●ふだん何気なく見ている漫才が“ツッコミ”という観点から分解されていき、プロの絶妙な演出技法がタネ明かしされる様子は素人目からでも勉強になった。

クレイジージャーニー「BAD HOP」(TBSテレビ)
●直後にヤラセが発覚したのがたちの悪い冗談に思えるほど。正直に愚直に生きてきたメンバーたちのスタイルは、共感するしないに関わらず衆目を惹きつける。

NNNドキュメント’19「刑罰と治療~クレプトマニアという闇~」 (テレビ金沢)
●共感も理解もできなかった事件に、「症状」という言葉で少し近寄ることができた。こういうことはもっとバラエティ番組などで愛を持って扱えないものかと思う。

NNNドキュメント’19「君は君のままでいい 立花高校3年間の記録」 (福岡放送)
●問題行動のあった生徒の就職面接の練習後に室内にカメラが入ったとき、先生たちがその生徒の成長した受け答えに涙しているシーンに感動した。

プレミアムドラマ「盤上の向日葵」(NHK BSプレミアム)
●キャスティングも役の作り込み方も、芸術作品のようなドラマ。原作も骨太で好きな作品だが、テレビならではの収め方にも納得できた。

土曜ドラマ「ボイス 110緊急指令室」(日本テレビ)
●警察官の復讐劇として面白い発想だと思った。ありえない設定だが、ドラマはそこが面白い。

金曜ナイトドラマ「セミオトコ」(テレビ朝日)
●金ナイでしょ、と高を括って視聴したが、思いがけずハートウォーミング。切なく温かいドラマで、木南晴夏の演技に毎回涙してしまった。

日曜プライム「時効警察・復活スペシャル」(テレビ朝日)
●こんな時代に、ニヤリ、クスッとできる独特のユルユル異空間が満を持して帰ってきたと、とても楽しんで見ることができた。

ドラマパラビ「びしょ濡れ探偵 水野羽衣」(テレビ東京)
●深夜の時間にこぢんまりとまとまった良いドラマ。町内の範囲を超えない程度の事件というのもちょうどよかった。羽衣と悠馬の微妙な掛け合いも楽しめた。

木曜ドラマF「わたし旦那をシェアしてた」(読売テレビ)
●このドラマがこんなにも『愛』がテーマだとは始まった頃は思わなかった。最終回に近づくにつれて面白くなるドラマはこの作品が久々だった。

「FLY!BOYS,FLY!僕たち、CAはじめました」(関西テレビ)
●今この時代に男性客室乗務員を主人公としたドラマはとても面白いと思った。逆に女性パイロットも出てきて、ついこの間までは絶対になかった題材だなと思った。

★「GALAC」2020年1月号掲載