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【8月度マイベストTV賞】-「GALAC」2019年12月号

放送批評懇談会の正会員とGメンバーが投票。
得票数の 「ベスト3」 が月間ノミネート番組になり、年間のベスト1がマイベストTV賞に輝く!

■選出された番組
「監察医 朝顔」(フジテレビ)
●監察医という特殊な職業であまり知られていない世界への興味を引き、その反面、家族や友人とのシーンなどで普遍的な生活を描き、共感を得る。そのどちらの要素もとても丁寧に作っているドラマ。

NHKスペシャル「昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録『拝謁記』~」(NHK総合)
●「戦争に対する反省」という言葉をめぐり、逡巡を重ね結局は曖昧な表現になってしまったことは、その後の日本の姿を象徴しているようだった。

NHKスペシャル「全貌二・二六事件~最高機密文書で迫る~」(NHK総合)
●わずか4日間で鎮圧されたが、これより軍部の発言力が強まり戦争への道を歩みはじめてしまったという点において、いかにこの事件が日本にとって重要な出来事であったのかがわかった。

■話題になった番組
土曜ドラマ「サギデカ」(NHK総合)
●特殊詐欺グループを摘発する刑事とその被害者、加害者を描いている。現実ではあまりにも頻繁に報道されるのでどこか慣れっこになっているのではないか。そんななかで実態をリアルに突き付けた意義は大きいと思う。

プレミアムドラマ「ベビーシッター・ギン!」(NHK BSプレミアム)
●さまざまな家族の事情を、立場なりの愛をもって解決していく様子が心地よかった。

24時間テレビ42 ドラマスペシャル「絆のペダル」(日本テレビ)
●親子の葛藤と、術後から復活するまでの苦悩と努力。やる気があれば人は進歩し続けることができるんだなと思いました。

土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」(テレビ朝日)
●漫才師の成長物語で、綺麗事ではない生々しい感じに惹きつけられた。

日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」 (TBSテレビ)
●七転び八起き! 何度逆境に遭遇しても不屈の精神で立ち上がる姿がラグビーのプレイに重なり、自分も難題に立ち向かう気持ちが沸々とわき上がりました。

木曜劇場「ルパンの娘」 (フジテレビ)
●とことんくだらない、その徹底ぶりが小気味よい。しかも、演者のテンションは軒並み高めで、ロミジュリ的純愛ロマンスに泣かされそうになる。

ドラマイズム「スカム」(毎日放送)
●今の若者の現状を取り上げていて、ドキュメンタリーかと思うくらいの作りだった。登場する高齢者に思い当たるところもたくさんあり、何が正義なのか考えさせられた。

病院ラジオ「がん専門病院編」(NHK総合)
●さまざまな葛藤を抱えた人々のしなやかな強さと、それを受け止めるサンドウィッチマンの二人の懐の深さが心地よい番組です。

NHKスペシャル「かくて“自由”は死せり〜ある新聞と戦争への道〜」(NHK総合)
●「新聞日本の10年は日本転向の10年」というまとめの言葉は、あまりに重い。蓑田胸喜の子息のインタビューは貴重である。

ETV特集「忘れられた“ひろしま”〜8万8千人が演じた“あの日”〜」(NHK Eテレ)
●国際的な評価を受けたにもかかわらず、反米的だと大手映画会社に配給拒否されたという映画『ひろしま』。真実の姿を知る機会を奪われた不条理。辛いシーンもあったが見なければいけない映画だと思った。

バリバラ生放送「2.4時間テレビ 愛の不自由、」(NHK Eテレ)
●今年のバリバラは本当に攻めすぎ! きれいごとだけではない障害者の恋と性に深く切り込み、健常者の知らない恋愛、お馴染みの恋愛など見ていて飽きなかったのはさすが。

「テレビ千鳥スペシャル」(テレビ朝日)
●「全然うまくいかなかった」という展開ごと、愛に溢れた笑いにしてしまう千鳥の人間的底力を見せつけられた。

第28回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品「福井テレビ開局50周年記念番組 聖職のゆくえ〜働き方改革元年〜」(福井テレビ)
●教育現場の過酷な労働環境がストレートに伝わった。現場取材に協力してくれる学校がなかなかなく、番組制作が困難だったと言われていたが、教師の日常がたいへんよく伝わり、制作者側の苦労も伝わってきた。

★「GALAC」2019年12月号掲載