GALAC新創刊宣言


 いま、テレビ、ラジオの世界は、かつて経験したことのない大変革期を迎えています。

 これまでの地上波テレビ・ラジオに加えて、BS・CS放送、CATV、文字放送など新しいメディアが成長し、圧倒的な多チャンネル時代が到来しつつあるのです。

 デジタル化がもたらすのは、数百チャンネルのテレビが登場するという「量」的な変化だけではありません。通信・コンピュータ技術の進歩は、メディアの双方向化や高度利用を可能にし、テレビ・ラジオの世界にまったく新しい「質」的な変化をもたらそうとしています。

 しかし、どれほどハードウエアが進歩しても、肝心なのは新しい多チャンネル・多メディアを通じて、どんな情報が流されるかということ。つまり、ソフトウエアです。

 技術が日進月歩で発達し、チャンネルが氾濫しはじめた現在ほど、メディアを通じて流されるニュース、ドキュメンタリー、ドラマ、バラエティ、ワイドショーといったソフトウエア――番組そのものにこだわり、これを的確に批評することが求められています。

 私たち放送批評懇談会は、放送の健全な発達と放送文化の育成を図り、放送に関する批評・評論活動を振興することを目的として、1963年4月に発足しました。1967年には月刊誌「放送批評」を創刊し、1997年5月号で第334号を数えます。

 そして、私たちは、このテレビ・ラジオが迎えた大変革期に際して、三十年間続いた「放送批評」にピリオドを打ち、新たに、月刊誌「GALAC」(ぎゃらく)を創刊することを決意しました。誌名は、放送批評懇談会が優れた放送番組・放送人に贈る「ギャラクシー賞」にちなんだものです。

 私たちは、新時代メディア批評誌「GALAC」を舞台に、さまざまなメディア研究者、ジャーナリスト、テレビ・ラジオ制作者、放送関係者、広告・企業関係者、さらに一般読者の幅広い参加を求めて、二十一世紀の放送とは何か、優れた番組ソフトとは何かを、徹底的に考えていきます。

 長い間「放送批評」をご愛読くださり、まことにありがとうございました。そして、新雑誌「GALAC」へのご支援をよろしくお願い申しあげます。

(創刊編集長 坂本 衛/「放送批評」1997年5月号に掲載)